【1月16日 AFP】イタリア・ナポリ(Naples)の名門歌劇場、サン・カルロ劇場(Teatro di San Carlo)で16日、サッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏(56)の功績をたたえるショーが行われることに対し、伊芸術界が反発している。

 このショーは、マラドーナ氏のサッカーW杯での活躍や話題に富んだ私生活を回想する内容だという。マラドーナ氏は約30年前に同市のチーム、ナポリ(SSC Napoli)で活躍し、熱狂的な人気を博した。しかし今回、現在も営業を続ける世界最古の歌劇場で同氏のイベントが行われることに対し、伊芸術界は怒りの声を上げている。

 同歌劇場の首席作曲家、ロベルト・デシモーネ(Roberto De Simone)氏は「サン・カルロには、偉大な歌手やオーケストラを迎え入れてきた豊かな歴史がある。ここは音楽やオペラ、バレエのための場所であり、サッカーのための場所ではない。まったく場違いだ」と憤った。

 しかし当のマラドーナ氏や彼のファンは、そうした物議を意に介していないようだ。「Three times 10」と題した一夜限りのショーのチケット料金は、最も高いもので350ユーロ(約4万円)だが、発売から数時間で完売した。マラドーナ氏は15日、報道陣に対し「自分がいかに愛されているかを知って、とても感動している」と語った。

 16日の催しでは、音楽演奏や歌などを通じたショーでマラドーナ氏の功績を振り返る他、イタリアのリーグでマラドーナ氏と同じ背番号10番をつけたことのあるロベルト・バッジョ(Roberto Baggio)やフランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)、アレッサンドロ・デル・ピエロ(Alessandro Del Piero)といった伝説的プレーヤーらの画像が挿入された映像作品も上映される。(c)AFP