【1月16日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)近郊で15日、激しい戦闘が起き、民間人9人が死亡した。シリア内戦の和平交渉に向けて全土で敷かれている停戦への影響が懸念される。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ダマスカス北西のワディバラダ(Wadi Barada)地域では、反体制派と進軍する政府軍との間で新たな衝突が発生。政府軍によるデイル・カヌン(Deir Qanun)村への砲撃で、少なくとも子ども3人を含む民間人9人が死亡、20人が負傷した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、昨年12月30日の停戦発効以降、「最悪の死傷者数」となったと語った。

 一方で、ワディバラダ・メディア委員会の報道官は、死者を12人とした。家を追われた女性と子どもらが避難している仮設避難所に砲撃が加えられたと説明している。

 停戦後の一連の戦闘は、今月後半にカザフスタンで予定されている和平交渉に、暗い影を落としている。

 一方で、東部デリゾール(Deir Ezzor)の主要軍用空港近くでは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に押されて政府軍が後退している。ISと対立するイスラム過激派組織「シリア征服戦線(Jabhat Fateh al-Sham)」(旧アルヌスラ戦線、Al-Nusra Front)は、停戦に合意していない。(c)AFP/John Doeby Layal Abou Rahal