【1月15日 AFP】 難病を患っている娘の治療費が必要だとの理由で募金を呼び掛け多額の金を集めたとして、詐欺容疑で逮捕されたスペイン人の夫婦に、その娘を性的に搾取していた疑いが新たに浮上した。

 フェルナンド・ブランコ(Fernando Blanco)容疑者と、妻のマルガリーダ・グラウ(Margarida Grau)容疑者は13日、記者団に取り囲まれながら北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州セウドゥルジェイ(Seu D'Urgell)の裁判所に出廷。警察の調べでブランコ容疑者が所有しているUSBドライブから、11歳の娘の裸の画像が見つかったことから、裁判所に召喚された。

 カタルーニャのテレビ局TV3の報道によると、ある画像には両容疑者が娘の前で関係を持っている様子が写っていた。また娘自身の「性的な描写」の画像もあったとされるが、詳細は不明。両容疑者は法廷で判事に対し、画像は娘の病気の進行を記録する目的で撮影したと説明した。

 両容疑者の弁護士は記者団に対し、「画像は特別なものではない。わいせつ、性的、あるいは搾取的な内容ではない」と述べた。ただ、両容疑者の「露出癖や性的挑発行為、性的搾取」に関する調べを開始した判事は、こうした説明を受け入れない姿勢を示した。

 両容疑者の娘が患っているとされるのは、「硫黄欠乏性毛髪発育異常症」と呼ばれる遺伝性疾患。ブランコ容疑者とグラウ容疑者は、治療費名目で集めた91万8000ユーロ(約1億1200万円)のうち60万ユーロ(約7300万円)近くを、車や服、高級時計の購入費や旅行費に充てていたとして、昨年12月から取り調べを受けている。両容疑者はメディアで募金を呼び掛けるのに加えて、09年に慈善団体を立ち上げ、チャリティーイベントを開催したり、フェイスブック(Facebook)を通じて金を集めたりしていた。(c)AFP/Daniel BOSQUE