【1月15日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)に臨むラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が14日、けがの痛みと付き合いながらの現役生活に苦しさをのぞかせながらも、四大大会(グランドスラム)制覇の夢はまだ捨てていないと語った。

 30歳のナダルはここ数年、けがに悩まされ続けてきたが、それでも、自分には大きなタイトルを獲得するだけの実力があるという自信は揺らいでいない。痛みや負傷の状況について問われたナダルは、悲しげにほほ笑みながら「けがはしてないけれど、痛みがない状態というのはずっと昔の話だね」と答えた。

 ナダルは2014年を最後にグランドスラムの4強から遠ざかっている。そのため、自身のおじで長年コーチを務めてきたトニ・ナダル(Toni Nadal)氏とじっくり話し合った末、2016年12月、元世界ランク1位のカルロス・モヤ(Carlos Moya)氏をコーチングスタッフに迎え入れた。

 ナダルは指を鳴らしながら「僕はこういうことを決断できる人間じゃない。だから話し合いが必要だった。なによりおじは僕のコーチなんだからね。おじは僕のキャリアに欠かせない人物だから、決める前に話す必要があった。トニが満足していなければ、こういう決断は絶対にしない」と話した。

「モヤとは僕が15歳の頃から彼が引退するまで、ずっと練習相手だった。だからそんなに大騒ぎすることではない。家も近いしね。二人ともマヨルカ(Mallorca)に住んでいるんだ」

 世界ランキング9位のナダルは、17日の全豪1回戦でフロリアン・マイヤー(Florian Mayer、ドイツ)と対戦し、順調に勝ち上がれば、3回戦で売り出し中の10代、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)と当たる。

 昨年大会のナダルは、同じスペインのフェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdasco)に敗れ、1回戦敗退に終わった。しかしながら、ナダルは自身にトロフィーを掲げるチャンスがないと思うのであれば、現役を続ける意味などないと語っている。

「やれるという確信がなければ、今ごろゴルフに興じるか、故郷で釣りでもしているよ。そして『やれる』というのは、この10年追いかけてきたもののために今も戦えるという意味だ」

「その気持ちに偽りはない。僕がここにいるのは、信じているからだ。自分を心から熱くさせるもののために戦う力が、自分にはあるとね」 (c)AFP/Talek HARRIS