【1月12日 AFP】フランス大統領選に立候補しているエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が、ドイツの首都ベルリン(Berlin)で行った演説であえて英語を使い仏語を軽視したとして、国内の極右政治家から大きな批判を浴びている。

 大統領選の有力候補になりつつある中道派のマクロン氏は10日、訪問先のベルリンで、フランスの政治では異例とも見なされる、欧州連合(EU)を擁護する姿勢を示した他、演説では英語を使いさらに周りを驚かせた。

 国家主義者で反EUなどを主張する極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首は、こうしたマクロン氏の行動にとても耐えられなかったようだ。

 ルペン党首は10日、自身のツイッター(Twitter)に「大統領選の候補者であるマクロンがベルリンを訪れ英語で会見を行った。フランスがかわいそうだ」と書き込んだ。

 マクロン氏の言語能力が、1か国語しか話せない対立候補たちを出し抜いたとの指摘を受け、ルペン氏の側近で国民戦線の幹部フロリアン・フィリポ(Florian Philippot)氏は「彼はわれわれの言語に敬意を持たず、フランスを信じていないことを示しただけだ」と述べた。

 フランス政府は、世界で2億2000万人以上が使う仏語を断固として守る姿勢を示している。歴代の仏大統領の英語能力は低かったが、同国の若者の間では英語は不可欠との認識が広がりつつある。(c)AFP