【1月12日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)がW杯2026年大会から出場枠を48チームに拡大する決定を下したことを受け、中国サッカー協会(CFA)会長と同国メディアは11日、W杯出場の夢をかなえるチャンスが広がったとして歓迎した。

 サッカー中国代表は現在、FIFAランキングでセントクリストファー・ネビス(人口約6万人)とフェロー諸島(人口約4万9000人)の間の82位に低迷しており、10日に行われたアイスランドとの親善試合では0-2で敗れている。

 CFAの蔡振華(Cai Zhenhua)会長は、出場枠拡大は中国にとってチャンスだとの見解を示し、国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)に対して「2026年W杯はまだ先だが、出場枠拡大は中国により多くのチャンスをもたらすだろう」と語った。

 国営の新華社(Xinhua)通信は「中国男子の技術や戦術が、2026年までに飛躍的に高まらないとしても、サッカー界の改革における主要な目標は達成されているだろう。出場国拡大に伴い、中国のW杯復帰が単なる夢ではなくなる可能性が非常に高い」と論評し、出場枠拡大に向け、サッカーの水準を向上させる中国政府の動きに注目している。

 FIFAは10日、出場国数を32か国から48か国に拡大する決定を下し、ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は、欧州や南米だけでなく、より多くの国にチャンスが与えられるとしているが、拝金主義かつ政治的決定だとして批判を集めている。

 今回の決定により、アジアの出場枠は4から8に倍増し、さらに9番手の国はプレーオフに回るものとみられており、インファンティーノ会長は「より多くの国が夢をつかむチャンスを得られる」と主張した。

 世界最大の人口を抱える中国は、豊富な資金により国内リーグが活発化しており、上海上港(Shanghai SIPG)はアジア史上最高となる6000万ユーロ(約74億円)でオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)を獲得。上海申花(Shanghai Shenhua)へ移籍するカルロス・テベス(Carlos Tevez)の年俸は、世界最高給と報じられている。

 しかし、中国は代表チームレベルで力を発揮できておらず、W杯初出場となった2002年の日韓大会では無得点のまま3戦全敗に終わっている。

 新華社通信はまた、出場国拡大によって「間違いなくサッカーの地球規模での重要性は増す」としており、これまでと異なったスタイルのプレーが導入されるだろうとの見解を示した。(c)AFP