【1月12日 AFP】ドイツで11日、男女の賃金格差の是正に向けた新しい法律が承認され、国内企業に対して同じ職位にある男女の従業員の賃金水準を公開するなど、賃金体系の透明性を向上させることを義務付けた。ドイツでは男女の賃金格差が欧州の平均よりも大きく、政府は新法を突破口に対策を強化する狙いだ。

 新法では、従業員200人超の企業に勤めている人に対して、同等のポジションに就いている従業員の男女別の賃金を知る権利が認められた。

 500人を超える企業には、同一賃金のルールを順守していることを示すため、賃金体系を定期的に公表することも義務付けた。

 マヌエラ・シュウェーズ(Manuela Schwesig)家庭相はこの法律を「画期的」と評価。多くの女性にとって男性との賃金格差の縮小につながるはずだと期待を寄せた。

 家庭省によると、ドイツの女性の賃金は男性よりも約21%少ない。この比率は欧州全体の2015年の平均16.5%を上回っている。ドイツでは女性が低賃金の仕事や業種に就いたり、パートタイムで働いたりする場合が多いことが一因とされる。(c)AFP