■脳と脊椎の先天異常

 出産適齢期にある女性らには、新生児の脳と脊椎に発生する先天異常を回避するために、葉酸の摂取が以前より強く推奨されていた。

 米公衆衛生局(PHS)は1992年、ビタミンB群サプリが二分脊椎と無脳症の発症リスクを有意に低下させることを示した研究結果を受けて、出産適齢期にある女性に葉酸400マイクログラムの毎日の摂取を推奨する勧告を発表した。

 米疾病対策センター(CDC)によると、先天性奇形症の中で最も多い疾患の一つである神経管欠損症は、米国の生児出生10万件につき約6.5件で発症しているという。

「最新の推定によれば、葉酸サプリ摂取により、毎年約1300件の出生で神経管欠損症の発症が回避される」と、USPSTFの報告書は指摘している。一方、葉酸サプリ摂取に関連するリスクは総じて「低リスクの域を超えない」と判断された。

 今回の報告書に合わせて米医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」に掲載された解説記事によると、神経管欠損症を予防する最良の方法は、早期のサプリ摂取だという。

 米テキサス大学健康科学センター・ヒューストン校(University of Texas Health Science Center at Houston)のローラ・ミッチェル(Laura Mitchell)教授は、解説記事に「神経管欠損症は妊娠の初めの2~3週以内に発生するため、女性が妊娠する前から推奨量の葉酸を摂取していることが重要になる」と記している。

「米国の妊娠の約半数が計画外妊娠であることから、USPSTFの勧告は、妊娠の計画性の有無にかかわらず、すべての妊娠がこの予防措置の恩恵を受けられるように、妊娠と出産が可能な年齢期間にある全女性に適用される」と、ミッチェル教授は述べている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN