【1月11日 AFP】米国予防医学専門委員会(USPSTF)は10日、出産が可能な、または妊娠を考えているすべての女性に、葉酸サプリメントの摂取を推奨すると発表した。先天異常リスクを低下させることが目的だという。

 2009年に葉酸サプリメントを推奨する勧告を米国医師会雑誌(JAMA)に発表した有志の専門家らによる独立組織のUSPSTFは今回、新証拠を再調査した上で、先の勧告を更新した最新の報告書をJAMA誌に発表した。

 USPSTFは最新の勧告でも前回と変わらず、妊娠が可能または妊娠を計画している女性に対し、葉酸400~800マイクログラムを含むサプリメントを毎日摂取するよう呼びかけている。

 緑葉野菜、マメ科植物、かんきつ類などの食物中に自然に含まれる葉酸は、胎児の脊椎や脳にある種の発達異常が生じるリスクを低減できることが、複数の研究で証明されている。

 だが、1990年代から米国を含む世界約80か国で実施された、穀物に葉酸を添加して栄養価を高める計画が、サプリメントの必要性に影響を与える可能性があるかについては、科学者の間で議論が続いていた。

 USPSTFが発表した報告書によると、再調査の結果、「米国の女性の大半は、最善の効果を示すのに必要とされる量の栄養強化食品を摂取していない」ことが分かったという。さらに、出産適齢期の米国女性のうち、葉酸サプリメントを毎日摂取している人は全体の3分の1未満であることも判明した。

「臨床医らは、妊娠が可能なすべての女性に、葉酸アプリを毎日摂取するよう勧告するべき」で、「サプリ摂取の効果が最もよく現れる時期は、受胎の少なくとも1か月前に始まり、妊娠の最初の2~3か月間を通して続く」と報告書は続ける。