【1月11日 AFP】英ロック歌手、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんの衝撃的な死から1年を迎えた10日、世界中のファンが花を手に、口紅や装飾品で身を飾って伝説的なアイコンを追悼した。ボウイさんが晩年を過ごした米ニューヨーク(New York)のアパートの外には1年前と同じく、花束が手向けられた。

 人知れずがんと闘っていたボウイさんは、亡くなる2日前に最後のアルバム「★(ブラックスター、Blackstar)」を発表。ジャズのテイストを取り入れた意欲的な同作品は高い評価を受けた。

 ボウイさん所属のレコード会社、コロンビア・レコード(Columbia Records)はボウイさんの70歳の誕生日となるはずだった8日、「ブラックスター」のレコーディングの際に録音された新たな3曲を加えたデジタルEPを発売した。

 ボウイさんのアルバムを多数手掛けたプロデューサーのトニー・ビスコンティ(Tony Visconti)さんはフェイスブック(Facebook)に、「ブラックスター」制作中のボウイさんは、以前に比べて「非常にパワフルで、前向きで、創造性にあふれていた」と投稿している。「彼は存命中も伝説的な存在だったが、永遠に伝説的な存在であり続けるだろう。でも、私の友達でもあった。いなくなって本当に寂しい」

 世界各地ではボウイさんのファンが一周忌記念のコンサートを開催し、収益は慈善事業に寄付された。

 ニューヨークで10日に行われたコンサートでは、米ニューウェーブバンド、The B-52sのケイト・ピアソン(Kate Pierson)さんと米ロックバンドのリヴィング・カラー(Living Colour)がボウイさんのかつてのバンドメンバーらと共演。

 8日に英ロンドン(London)のブリクストン・アカデミー(Brixton Academy)で行われた追悼公演では、ボウイさんの親友だった俳優のゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)さん、英ロックバンドの「デフ・レパ―ド(Def Leppard)」「デュラン・デュラン(Duran Duran)」から、それぞれジョー・エリオット(Joe Elliott)さんとサイモン・ル・ボン(Simon Le Bon)さんが出演するなど、幅広いアーティストが顔をそろえた。

 ボウイさんが亡くなった後、生誕地である南ロンドン地区では大勢のファンが集い、曲を口ずさんだり音楽に合わせて踊ったりしながら「ヒーロー」をしのんだ。(c)AFP/Shaun Tandon/with Jacques Klopp in London