【1月10日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)の航空会社でマネジャーを務め、日々忙しく立ち働くベアトリスさん(50)は、全被雇用者に対し、勤務時間外の業務連絡の電話や電子メールからの解放を保障する新法「つながらない権利法」から得るものがあるはずと期待を寄せている。

 本名と社名を伏せることを条件にAFPの取材に応じたベアトリスさんは、「自由時間に緊急の問題が飛び込んできたり、就業時間外に電子メールに返信しなければならなかったりすることはよくあります」と認めた。

「誰かに強制されているわけではありませんが、仕事のメールも自分の携帯電話で受信しています。他のマネジャーらも同じ」と続けた。

 同国では今月1日から、従業員が50人を超える会社に対し、社員らに認められるべき勤務時間外の完全ログオフ権を定義する定款の策定が義務付けられた。違反した場合も罰則が設けられる見通しはないが、従業員は権利侵害を理由に訴訟を起こすことができる。

 ベアトリスさんの会社は、従業員に健康問題が生じる危険性は広く認識している一方で、コスト削減に必死だと、ベアトリスさんは言う。結果経営側は、より少ない人員で同じ成果を求めるようになってきている。