【1月10日 AFP】国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)は9日、性的虐待の被害児童に関連した画像などを登録した国際児童性的搾取(International Child Sexual ExploitationICSE)データベースの運用開始以降、特定および救出した被害者の数が1万人に到達したと発表した。データベースの運用が開始されてから7年足らずだという。

 捜査官らは全世界を網羅するデータベースを駆使し、容疑者のコンピューターやインターネット上で見つかった数百万もの画像を解析し、高度なソフトを使用することによって虐待を行っている者やその位置を特定することができるという。

 フランスのリヨン(Lyon)に本部を置くインターポールのユルゲン・ストック(Juergen Stock)事務総長は、児童への性的虐待に関する膨大な画像について「衝撃的だ」と語り、このような画像がボタン操作一つで簡単にオンライン上で共有され、永久に消え去ることがないという事態が状況をさらに悪化させているとの考えを示した。また画像や動画が共有され、視聴されるたびに「子どもたちが何度も犠牲となる」と述べた。

 さらに同事務総長は、インターポールが世界各国の捜査当局を支援している点を評価しつつも「これは氷山の一角にすぎない」と警鐘を鳴らし、「できることはまだたくさんある」と述べ、虐待者を追い詰めるために民間部門や一般市民がより重要な役割を担う必要性を強調した。

 データベースの担当官によると、児童ポルノの取引はインターネットの登場以前から存在したが、インターネットの普及によって1990年代以降、急速に広まったという。(c)AFP/Pierre PRATABUY