【1月10日 AFP】米国は9日、ロシア犯罪捜査当局のトップと、連邦保安局(FSB)の元職員だったアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏毒殺事件に関与したとされる容疑者2人の計3人を制裁対象者のリストに追加した。

 米財務省は、ロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)のアレクサンドル・バストリキン(Alexander Bastrykin)委員長と、リトビネンコ氏殺害の実行犯とされるアンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)容疑者とドミトリ・コフトゥン(Dmitri Kovtun)容疑者の計3人を既存の制裁リストに追加した。

 米ロ間の緊張が高まっている中で今回の決定を発表した米国務省は、制裁の対象者とその適用開始時期に関する詳細は明らかにしなかった。

 間もなく任期満了を迎えるバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の政権は、ロシア政府が昨年11月の米大統領選に介入するためサイバースパイ行為や情報流出、プロパガンダを行ったと非難している。

 これに伴い米政府は、スパイ行為に関与した疑いが持たれているロシアの外交官35人を国外退去処分としたが、これに対しロシア側は冷笑するかのように、そのような行為は行っていないと完全否定している。(c)AFP