【1月9日 AFP】1979年のイラン革命で重要な役割を果たし、国会議長や大統領などを歴任したアクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(Akbar Hashemi Rafsanjani)師が8日、心臓発作で死去した。82歳。教条主義的な指導部に時に異を唱えながらも、保守穏健派の重鎮として数十年にわたって政界に影響力を持ち続けていた。

 首都テヘラン(Tehran)の病院で亡くなった。国営イラン通信(IRNA)によると、政府は3日間の服喪を発表し、埋葬が行われる10日を公休日とした。

 ラフサンジャニ師は1934年8月25日、イラン南部の裕福な家庭に生まれた。シーア派の聖地コム(Qom)で神学を学んだ後、1963年に政界入り。最高指導者だったルホラ・ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師の腹心として国会議長となり、同師が死去した1989年まで2期務めた。

 その後、1989年に大統領に就任。1997年まで2期務め、国の復興と改革、アラブ諸国との関係改善などに力を注いだ。

 2005年に大統領選に再び出馬したが、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)氏に敗北。その後、アフマディネジャド氏を中心とする超強硬派に対抗する穏健派として台頭し、2013年の大統領選に再度立候補したものの、高齢を理由に認められなかった。しかし同じく穏健派のロウハニ師を支援し、同師の勝利を後押しした。

 ラフサンジャニ師の死去について、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は声明で「59年前から協力し合い、困難を共にしてきた同志を失ったことは苦しく、耐え難い」と弔意を表明。「この長い間には意見や解釈が異なる時もあったが、友人関係が完全に壊れることはなかった」と悼んだ。

 また、ラフサンジャニ師の病床に駆けつけたと報じられたハサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領もツイッター(Twitter)を通じて「改革と政治に取り組み、抵抗と忍耐の象徴であるこの偉大な人物の魂は天国に行った」と哀悼の意を述べた。(c)AFP/Ali Noorani