【1月7日 AFP】トルコ政府は、「民主主義の年」を願う新年のメッセージカードとともに、昨年のクーデター未遂の際に反乱勢力に空爆された国会議事堂の破片を、世界各国の外交官やジャーナリストらに送った。

 トルコの首都アンカラ(Ankara)の国会議事堂は昨年7月のクーデター未遂の際、反乱勢力によって空爆され、一部が破壊された。

 フランス・パリ(Paris)のAFPが受け取ったトルコ政府の新年のカードには「民主主義に対するトルコの貢献の象徴として、トルコ大国民議会の壁からはがれ落ちた大理石のかけらを送ります」とあり、さらに「真の意味で民主主義を享受できる新年となるように」と書かれていた。メッセージの名義は、ビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)首相の報道官、メフメット・アカルカ(Mehmet Akarca)氏となっている。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は昨年、クーデター未遂によって自らの政権が脅かされた際、欧米諸国がほとんど連帯を示さなかったことに激怒した。エルドアン政権は批判勢力からは、強権的な性格を強めているとみなされている。欧州連合(EU)と米国は、トルコのクーデター未遂の後の弾圧で兵士や裁判官、ジャーナリスト、教師など数万人が拘束されている事態について懸念を強めている。

 トルコ首相府によれば「テロリズムは人道に対する罪だ」などと書かれたカードと国会議事堂の破片は、世界中の外交官やジャーナリスト、大学の学長、自治体の長など4000人に送られた。AFPに届いたベロア製の黒いケースの中には、灰色の角張った破片が入っていた。(c)AFP