【1月7日 AFP】今年4月に大統領選を控え、移民問題が主要論点となっているフランスで6日、エリトリア人移民のイタリアからフランスへの密入国を支援した罪に問われていた男性に無罪判決が言い渡された。

 無罪判決を受けたフランス国立科学研究センター(CNRS)の研究者ピエールアラン・マノーニ(Pierre-Alain Mannoni)氏(45)は「今日のフランスで、われわれには苦しんでいる人々を救う権利がある」と語った。

 南部ニース(Nice)で行われた裁判で検察は昨年11月、人々には人々を助ける「義務」があるとした一方、仏国内で「(不法移民の)滞在と移動を助けない」義務もあると主張して執行猶予付きの禁錮6月を求刑していたが、判事は6日、マノーニ氏は若いエリトリア人女性3人を「その尊厳を守るために」助けたとの判断を示した。

 フランスでは2012年に施行された法律により、密入出国請負業者が報酬を受け取っておらず、預かった人々の命が危機的状況にあったとみなされる場合には刑事免責が与えられる。

 マノーニ氏は判決の後「人を助けていいんです」「そうすることをお勧めします。大きな善行になりますから!」と語った。

 この地域ではマノーニ氏のほかに、2人が同じく移民を違法に助けたとして裁判が開かれている。(c)AFP/Vincent-Xavier MORVAN