【1月6日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)で主要な水源からの水供給が途絶し、500万人以上の住民が水不足に直面する事態となっていることを受け、国連(UN)関係者は5日、水の供給を妨害する行為は戦争犯罪に当たると警告した。

 この水源は反体制派が支配するダマスカス近郊ワディバラダ(Wadi Barada)にあり、昨年12月22日以来、水を供給していない。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側と反体制派は互いに相手側に責任があると主張している。

 国連の支援を受けてシリアの人道状況を調査する組織を率いるヤン・エーゲラン(Jan Egeland)氏は、「戦闘または破壊工作、もしくはこれら両方が原因で」市民550万人への水の供給が阻害されていると指摘。「破壊工作を行って水を入手できなくすることは、当然ながら戦争犯罪だ。水を飲み、水を媒介する病気にかかるのは市民だからだ」と述べた。

 ダマスカスでは飲料水の価格が高騰している。住民の話によると、供給不足の上、わずかに得られる水道水も飲むには適さないため、ボトル入り飲料水を通常の2倍の価格で買わざるを得ないという。

 水不足の状況を打開するため、アサド政権側はワディバラダの奪還に乗り出している。(c)AFP/Layal Abou Rahal with Rim Haddad in Damascus