【1月4日 AFP】(更新、写真追加)フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島のコタバト(Cotabato)州で4日早朝、同島を拠点とする反政府武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)の分派とみられる武装集団が刑務所を襲撃し、守衛1人を殺害、受刑者少なくとも158人を脱走させた。当局が明らかにした。

 現場は同州キダパワン(Kidapawan)市にある刑務所。受刑者1511人を収容し、守衛24人が配置された同刑務所に100人を超える男が攻撃を仕掛け、2時間にわたる銃撃戦となった。

 襲撃された刑務所の所長は地元テレビ局ABS-CBNの取材に対し、襲撃の目的は「収監された仲間を救出することだった」と断定した。受刑者たちは激しい銃撃戦に乗じ、寝具を積み重ねて脱出したという。

 同所長は襲撃について、MILFの分派が主導したものとの見方を示している。

 軍や警察当局は襲撃犯の身元や脱獄の動機について直ちに確認することは避けたが、既に襲撃犯と脱走した受刑者の捜索に乗り出している。

 コタバト州が位置するミンダナオ島南部は、数十年にわたってイスラム教徒の分離独立運動や犯罪組織の活動が続いており、最近は構成員の中にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓う者も出ている。(c)AFP/Ferdinandh Cabrera