【1月4日 AFP】米ニューヨーク(New York)州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は3日、全米で初めて中低所得世帯の学生を対象に公立大学の授業料を無償化する計画を発表した。大学無償化は昨年の大統領選に向けた民主党の候補指名争いでバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員が公約として掲げていた。

 民主党のクオモ知事は記者会見で「今日、成功するためには大学教育が欠かせなくなっている」と述べ、米国の大学生が平均で3万ドル(約350万円)の負債を抱えている現状に言及した。

 その上で「エクセルシオール(Excelsior)」という大学奨学金制度を始めると発表し、2017年度から世帯年収10万ドル(約1200万円)以下の学生を対象に授業料無償化を目指すと明らかにした。2018年度からは対象を同12万5000ドル(約1500万円)以下に広げたい意向も示した。

 クオモ知事は「このような制度は米国初であり、この国の目を覚ますものになるはずだ」と強調した。

 対象は最大で100万世帯に上る見通し。年間の経費は1億6300万ドル(約190億円)と見積もられているが、クオモ知事は財源の詳細は明らかにしなかった。計画はまだ州議会で承認されていない。

 ニューヨーク州立大学(State University of New York)やニューヨーク市立大学(City University of New York)といった高い評価を得ている州内の大学の場合、年間授業料は6500ドル(約77万円)を超えることもある。

 コーネル大学(Cornell University)やコロンビア大学(Columbia University)、ニューヨーク大学(New York University)といったニューヨークで最も名高い大学は私立であるため、今回の無償化計画の対象外になるとみられる。

 将来の大統領選出馬を視野に入れているとされるクオモ知事の会見にはサンダース議員も同席し、計画に祝意を示した。(c)AFP