【1月11日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は2013年、新たな辺境の開拓に乗り出す意欲十分と見受けられた──ロシアだ。

 同年、自身が運営するミス・ユニバース(Miss Universe)大会が首都モスクワ(Moscow)で開かれ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との関係性の構築にトランプ氏は意欲をみせていた。

 トランプ氏は当時、ツイッター(Twitter)への投稿で「プーチン氏は11月モスクワで開かれるミス・ユニバース大会に来てくれるだろうか? もしそうだとしたら、彼は私の新しい親友になってくれるだろうか?」と書いている。

 結局両氏の初対面は実現しなかった。それでもプーチン氏は、トランプ氏への贈り物を託して側近の一人を派遣した。

 トランプ氏は自著「トランプ自伝──アメリカを変える男(Trump: The Art of the Deal)」の中で、1986年からソ連(当時)に関心を持つようになったと書いている。この年のユーリ・ドゥビニン(Yuri Dubinin)駐米ソ連大使との昼食会は、トランプ氏に投資機会をもたらした。

 翌年トランプ氏は、高級ホテルの建設候補地の視察のため、当時の妻イバナ(Ivana Trump)さんを伴ってモスクワを訪問した。

 最終的に計画は流れ、トランプ氏はその後の10年間、アトランティックシティー(Atlantic City)のカジノ破綻で首が回らなくなった。それでも1997年までには、再びロシアに目が向くようになる。当時の政界の新星、元軍人のアレクサンドル・レベジ(Alexander Lebed)氏とも関係を築いた。

 米誌ニューヨーカー(New Yorker)の記事によると、両氏はトランプタワー(Trump Tower)で面会したとされ、レベジ氏はトランプ氏によるモスクワでのホテル建設計画が、米国からロシアへの資本移動の「リトマス試験紙」の役割を果たすとたたえたとされる。