【1月3日 AFP】フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は2日、イラクを訪問し、欧米諸国がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する軍事行動を支援することが、自国での攻撃を阻止する鍵になるという見方を示した。

 ISと戦う米主導の有志連合の中でも最も積極的な関与国の一つであるフランスは、自国出身のイスラム過激派メンバーがシリアやイラクから大挙して本土に舞い戻ってくることを特に危惧している。

 オランド大統領は2014年にもイラクを訪れており、有志連合が結成された同年以降に同国を訪れた唯一の欧米主要国首脳となっている。

 オランド大統領は仏軍部隊がイラクのエリート部隊の訓練に当たっている基地を訪問した際、「ここイラクでテロリズムに対する行動を起こすことは、わが国の領土内でのテロ行為の阻止にもつながる」と述べ、イラク支援は欧州の安全を守る最も確実な方法の一つだと強調した。

 オランド氏はフアード・マスーム(Fuad Masum)大統領やハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相らと会談した後、同国北部にあるクルド人自治区の中心都市アルビル(Arbil)に飛び、自治政府のマスード・バルザニ(Massud Barzani)議長とも会談。

 オランド氏はイラクを離れる直前、イラク内のIS最後の拠点であるモスル(Mosul)奪還を目指す軍事作戦について、「夏前」にも目標を達成できる可能性があるとの報告をバルザニ議長から受けたと明かした。

 オランド大統領は、今年は「テロに対し勝利を飾る年」になると予言している。だがISは壊滅に向かっているとみられる一方で、いわゆる「ソフトターゲット」を狙った攻撃で混乱を引き起こす力は失っていない。

 オランド氏が訪問したバグダッドでは同日、車を使った自爆攻撃が発生し、少なくとも32人が死亡、60人以上が負傷。この攻撃についても、ISが犯行声明を出している。(c)AFP/Valerie Leroux