【1月2日 AFP】米ニューヨーク(New York)市の地下鉄で1日、過去50年で最大の拡張となる新路線が開通した。

 拡張されたのはマンハッタン(Manhattan)地区を通る「2番街線(Second Avenue Line)」のレキシントン街・63丁目駅から、高級住宅街アッパー・イースト・サイド(Upper East Side)に位置する96丁目駅までの区間。先月31日夜に行われた記念式典にはニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事や、ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長が出席した。

 旧式で暗く、線路をネズミが走っている光景が有名なニューヨークの地下鉄だが、元日の昼過ぎになると、携帯電話を片手に大勢の人々が見物のため新駅に押しかけた。新駅の構内は米国のチャック・クロース(Chuck Close)氏やブラジルのビック・ムニーズ(Vik Muniz)氏といったアーティストが手掛けたモザイク画で彩られている。

 訪れた皮膚科医のジェイ・レーマン(Jay Lerman)さんは「きれいで清潔で明るい。今のところネズミが走っているのも見ていない」と語った。引退した元弁護士ケン・クライン(Ken Klein)さんは「新駅の開通は救世主が来たみたいだ」と笑った。

 生後10か月の子どもを連れて新路線に初乗りしたタイラー・ロビンス(Tyler Robbins)さんは「まるでパリみたいだ」と語った。これまではエレベーターが足りないことと汚いことから、地下鉄に乗るのを避けていたという。漫画家のエンジェル・アビレス(Angel Aviles)さんも、欧州の都市に「ニューヨークが追いつき始めた」と喜んだ。

 総工費44億ドル(約5150億円)の新路線部分は、さらに60億ドル(約7000億円)をかけてハーレム(Harlem)地区まで延長されることとなっている。(c)AFP