【1月2日 AFP】オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で行われた毎年恒例のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Vienna Philharmonic)のニューイヤーコンサートで1日、ベネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)氏(35)が最年少の指揮者としてタクトを振り、観衆を沸かせた。

 過去にこのコンサートの指揮を務めてきたのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)氏、クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)氏、ズービン・メータ(Zubin Mehta)氏といった巨匠たちだ。

 現在、米ロサンゼルス・フィルハーモニック(Los Angeles Philharmonic)の指揮者を務めているドゥダメル氏はこの日、指揮台に立つ数時間前にツイッター(Twitter)に「今年、このニューイヤーコンサートを指揮するなんて、信じられない名誉だ」と投稿した。

 ウィーン楽友協会(Musikverein)大ホールで行われるコンサートでは毎年、19世紀の作曲家一家、シュトラウス(Strauss)家の楽曲を中心に演奏される。今年のプログラムは、ワルツ、ポルカ、行進曲の演奏に続き、最後にヨハン・シュトラウス1世(Johann Strauss I)の「ラデツキー行進曲(Radetzky March)」とヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II)の「美しく青きドナウ(Blue Danube)」で幕が閉じられた。

 2時間半に及ぶコンサートを終え、見るからに高揚したドゥダメル氏は、セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)外相をはじめその他多数の著名人を含む観客のスタンディングオベーションを受けた。

 ドゥダメル氏は12月29日のウィーンでの記者会見では「(美しき青きドナウを指揮できるなんて)もう心安らかに死んでもいいくらいだ」と幸せそうに語っていた。

 同コンサートは世界90か国以上に中継され、数百万人が視聴。毎年、チケットは非常に人気があるため、年初に翌年分の抽選が行われている。(c)AFP