【1月1日 AFP】イラク首都バグダッド(Baghdad)中心部シネク(Al-Sinek)地区にある市場で12月31日に起きた爆弾複数の爆発事件について、警察当局は同日、自爆攻撃2件によるもので、死者27人、負傷者も53人に上っていることを明らかにした。比較的平穏に新年を迎える準備を進めていた中での事件は同市に衝撃を与えた。

 事件については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がIS系通信社アマック(Amaq)を通じて犯行声明を出した。内務省当局者および病院関係者が死者数を確認している。

 事件が起きたのは店舗や作業場、卸売市場などが集中する地域で、普段から配達用トラックの出入りも多く、ワゴン車やリヤカーから荷物を降ろす労働者たちでにぎわっている。

 イラクでは、ISが拠点とする北部の都市モスル(Mosul)奪還を目指し、イラク軍が近年最大の軍事作戦を開始した昨年10月17日以来、首都バグダッドも厳戒態勢にある。

 ISは同国各地で大規模な陽動作戦を行い抵抗を続けている。ただ、バグダッドでは作戦がほぼ成功しておらず、31日の攻撃はモスル奪還作戦開始以来最大の被害を出した。(c)AFP/Sabah Arar and Jean-Marc Mojon