【12月29日 AFP】女子テニス、元世界ランキング1位のアナ・イワノビッチ(Ana Ivanovic、セルビア)が28日、現役引退を表明した。

 29歳のイワノビッチは2008年、12週間にわたって頂点に君臨。同年行われた全仏オープンテニス(French Open)では、自身唯一の四大大会(グランドスラム)タイトルを獲得した。

 セルビア出身の元女王は、「プロテニスから引退することを決めました。難しい決断でしたが、祝うべき点もたくさんあります。世界ナンバーワンになり、2008年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)では優勝できました。夢にも思わなかったような、高みも見れました」とし、13年に及んだキャリアの終わりを告げた。

 また、イワノビッチは「WTAツアーで15勝を挙げただけでなく、3度のグランドスラム決勝に加え、国別対抗戦フェドカップ(Fed Cup)の決勝など、記憶に残る本当に多くの試合でプレーできました」と付け加えた。

「しかしながら、いかなるプロスポーツにおいても、そういった『高み』を目にするには、最高水準の体調が要求されるわけですが、私の場合は故障に妨げられてきました」

「自分が定める高い水準のパフォーマンスを発揮できる場合に限り、プレーできますが、もう私にそれはできませんし、前に進むときだと思います」

 イワノビッチは、現役最後の大会となった9月の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)で初戦敗退を喫し、2010年以来初めてトップ50から陥落。直後には、再発する手首のけがに加え、手術を必要とする爪先に対し、医師からの忠告を受けたとして、2017年まで実戦から離れることを発表していた。

 女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は、イワノビッチを「真の王者であり、女子テニスというスポーツにおける、偉大なる大使」だと称賛したうえで、「母国セルビアのみならず地球規模で、テニス界全体に大きく貢献されました。WTAの世界ランキングで1位に輝いた数少ない選ばれた選手だからというだけでなく、ツアーで最も尊敬を集めるプレーヤーの一人として惜しまれるでしょう」とコメントした。(c)AFP