【12月27日 AFP】台湾の高校で先週末、生徒らがナチス・ドイツ(Nazi)をテーマにしたパレードを行い、イスラエルの激しい怒りと反感を買った問題で、この学校の校長が辞任した。

 問題となったのは、台湾北部・新竹(Hsinchu)市にある光復高校(Kuang Fu High School)。インターネット上に流出している画像や映像によると、開校62周年の記念祭で生徒らは、ナチスの制服に模した服を着て、かぎ十字の入った旗や横断幕を掲げて行進し、笑ったり踊ったりしている。地元メディアの報道によると教師1人もその行進に混じり、紙で作られた戦車の中に立ってナチス式の敬礼をしていたという。

 また台湾紙、蘋果日報(Apple Daily)のウェブサイトに投稿されている映像では、生徒たちの行進に合わせて司会者が「ヒトラーの登場です、生徒は彼に向かって敬礼。さもなくば戦車につぶされるか、ガス室へ連行される」と述べている場面が捉えられていた。

 同校の程暁銘(Cheng Hsiao-ming)校長は批判の高まりを受け、パレードを許可したことを謝罪し、辞意を表明した。程校長は「(ナチスの)犠牲者と世間に対し謝罪する。我々は過ちを犯した。私が辞任して責任をとる」と語り、また他の学校幹部も処罰することを約束した。

 台北(Taipei)に置かれているイスラエル経済文化弁事所は声明を発表し、この出来事を「悪趣味で」「言語道断」だと非難。フェイスブック(Facebook)では「ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)から70年が経過しているにもかかわらず、台湾の高校がこのような常軌を逸した行動を支持していることは、嘆かわしく衝撃的だ」と糾弾した。

 東アジアには以前から、ヒトラーやナチスに引き付けられたポップカルチャーや広告の例がある。台湾では1990年代に短期間、「ナチス・バー」という酒場が営業していたことがある。また2011年には台湾国内のセブンイレブン(7-Eleven)が、ヒトラーによく似た形のキーホルダーとマグネットを販売したとして非難を浴びた。(c)AFP