【12月23日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日、試験中のエボラ出血熱ワクチンについて「最大100%の効果」がある可能性があることを明らかにした。今後新たな問題が生じない限り、ワクチンは最速の認可手続きを経て、2018年に入手可能となることも視野に入っているという。

 昨年、致死性の伝染病であるエボラ出血熱の終息期にギニアで実施された大規模な臨床試験で、6000人近くの人が試験ワクチンの接種を受けた。その結果、感染者は一人も出なかった。だが、ワクチン接種を受けていないボランティアの対照群からは、23件のウイルス感染が確認された。英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載の研究論文で報告された。

 36人の研究者からなるチームは、本格的なエボラ流行期に、「rVSV-ZEBOV」と呼ばれる同ワクチンが80%以上の症例で90%有効となる見込みと算出している。

 エボラ熱は、2014年初め、ギニア南部の一部地域で感染が急速に拡大し、大流行した。その後の2年間で、主にギニア、リベリア、シエラレオネで2万8000人以上が罹患し、1万1300人が死亡した。

 新ワクチンをめぐっては、副作用の問題も含め、まだ解決すべき問題が残っている。研究論文によると、同ワクチンを接種した6000人以上のうち、重大な副作用が2人に出た。この2人については、その後の完全な回復が確認されているという。

 しかし、6歳以下の子ども、妊娠中の女性、AIDSウイルス保有者らのグループ全員は多くの臨床試験から除外されているため、このワクチンがこれらの人々に安全かどうかは今もなお不明だ。また、接種の有効期間についても明らかではない。(c)AFP/Marlowe HOOD