【12月22日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)のナイトクラブで今年6月に起きた銃乱射事件の被害者遺族らが、米IT大手のフェイスブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)、グーグル(Google)の3社を相手取って訴訟を起こした。3社がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に「物的支援」を提供した結果、過激なプロパガンダが広まって事件が誘発されたと主張している。

 事件は、オーランドにある同性愛者向けナイトクラブ「パルス(Pulse)」でアフガニスタン系米国人のオマル・マティーン(Omar Mateen)容疑者(29)が銃を乱射し、49人が死亡、53人が負傷したもの。犠牲者数は米国で起きた銃乱射事件としては最悪となった。マティーン容疑者は事件前、ISに忠誠を誓っていた。

 事件で死亡したテビン・ユージーン・クロスビー(Tevin Eugene Crosby)さん、フアン・ラモン・ゲレロ・ジュニア(Juan Ramon Guerrero Jr)さん、ハビエル・ホルヘ・レイエス(Javier Jorge-Reyes)さんの遺族らは今週、ISがソーシャルメディアを勧誘や資金集め、プロパガンダ活動の手段として悪用していることを「認識しながら意に介さなかった」として、フェイスブックとツイッター、グーグルの3社を提訴した。

「この物的支援は、ISIS(ISの別称)が台頭する手段となり、数々のテロ攻撃を実行・誘発することに貢献している」と原告団は主張している。訴訟は補償的損害賠償を求めるものだが、「物的支援」という米刑法上で犯罪行為とみなされる法律用語を使用している。

 原告側弁護人は、IT大手3社が行っている対策は「全く効果がない」と指摘し、「不適当な意図を持った強い示唆」など普通と異なるソーシャルメディアの使い方のパターンを検出するなど「もっと対策ができたはずだと考えている」と述べている。(c)AFP