【12月22日 AFP】チェコバイアスロン連盟(CBU)は21日、ロシアによる一連のドーピングスキャンダルを受け、来年3月にシベリア西部のチュメニ(Tyumen)州で行われるW杯シリーズのボイコットを表明。CBUのジリ・ハムザ(Jiri Hamza)会長は「チュメニでの開催は考えられない。理由は選手が現地に行くつもりがないからだ。チェコ選手団は『断固拒否』で意見がまとまっている」と語った。

 バイアスロンでは、ソチ冬季五輪で金メダルを獲得したフランスのマルタン・フールカデ(Martin Fourcade)が集団ボイコットの意向を表明しており、チェコの欠場はこれに続くものとなった。

 国際バイアスロン連合(IBU)は先日、世界反ドーピング機関(WADA)が公表したカナダの法律家リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の報告書で、ロシア選手31人の疑惑が浮上したことを報告。これに激怒したチェコをはじめ、フールカデら強豪選手は、同連合に対してロシアに断固たる行動を示すことを望んでいる。

「連盟として、これまで内部にとどめていた意見を、大声で明確に話すときがきた」と宣言したハムザ会長は、来年3月9日から12日まで行われるW杯と同じく、ロシアのリゾート地チュメニで行われる2021年のバイアスロン世界選手権(IBU World Championships)についても開催地の変更を求めている。

 フールカデは今年10月、IBUがドーピングに汚染されたロシアのバイアスロン選手を寛大に扱えば、集団ボイコットに出ると表明。当時のインタビューでは「1人や2人の話ではない。この数年間でバイアスロン界の違反者は12人から、さらに31人も増えた。IBUが大きな一石を投じてこの問題に取り組まないのであれば、アスリート自ら行動する必要がある」とコメントしていた。

 IBUはロシアのドーピング違反者に対する制裁を22日に発表する。(c)AFP