■実験の内容

 研究チームは、淋菌を実験室内で培養し、アルコール含有のリステリン2種のさまざまな濃度の希釈液を塗布した。

 実験の結果、リステリンは培養皿上の菌量を「著しく減少させた」一方、食塩水を塗布した場合は変化がみられなかった。

 研究チームは次に、淋病に感染した男性を対象とする試験を実施し、リステリンでうがいをする前後で、喉の細菌濃度を調べた。

 その結果、リステリンを使用した被験者は、食塩水でうがいをした被験者に比べて、うがいから5分後の時点でのどに存在する淋菌の量が少なかったという。

「マウスウォッシュのリステリンは、淋菌の増殖を抑制する安価で簡単に使える有効な薬剤であり、今後さらに慎重な検討と研究が必要だ」と、研究チームは記している。

 2005年に出版された「ヤバい経済学」(原題「フリークエコノミクス(Freakonomics)」)によると、外科手術の消毒薬として開発されたリステリンはその後、床の洗浄液や淋病の治療薬として販売されたという。1920年代には口臭対策商品として商業的な成功を収めた。(c)AFP