【12月20日 AFP】米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が予想外の勝利を収めたことに唖然とした人々は、この出来事を表すために使われていた言葉を辞書で調べた──その言葉とは、非現実的といった意味を表す「Surreal(シュール)」だった。

 米英語辞典メリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)は19日、「Surreal」を2016年の「ワード・オブ・ザ・イヤー(Word of the Year)」に決定したことを発表した。この賞は、前年に比べて検索件数が急増した言葉や表現に対して贈られる。

 この言葉は今年、1度のみならず、複数回にわたってその検索回数が急増した。

 最初は、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で3月に起きた連続攻撃の直後。この事件では32人が犠牲となり、実行犯3人も死亡している。

 そして7月、トルコのクーデター未遂事件と仏ニース(Nice)の襲撃攻撃の直後に再び急増した。ニースの事件では、革命記念日(Bastille Day)の花火の見物客にトラックが突っ込み、86人が死亡した。

 しかし、この言葉が最も多く検索されたのは、11月8日の米大統領選でトランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に勝利した直後だった。ツイート好きで衝動的、政治未経験で、選挙活動中に女性や少数派、イスラム教徒たちを侮辱していた不動産王のトランプ氏の勝利を説明するのに、この言葉が広く使われたためだ。

 メリアム・ウェブスターは声明で、「われわれは現実に起きていることを信じられない、あるいは信じたくない時に、現実を『上回る』あるいは『超える』と思える物事のための言葉を必要とする。『超現実的』とは、そのような言葉だ」と説明している。(c)AFP