【12月13日 AFP】南谷真鈴(Marin Minamiya)さん(19)は、世界最高峰のエベレスト(Mount Everest)と他6大陸の各最高峰登頂に成功し、南極点到達も果たした現役の大学生だ。

 現在は、世界7大陸最高峰と南北両極点制覇の最年少記録樹立を目指すべく、北極点への到達を目標としている。

 この偉業は「エクスプローラーズ・グランド・スラム(Explorers Grand Slam)」として知られ、専門のウェブサイトによると、これまでに51人しか成し遂げていないという。

 都内でAFPの取材に応じた南谷さんは、自らを登山家ではないと述べ、将来的には登山を続けるつもりはないと語った。しかし、その一方で、目的地に到達するまでのプロセスや人々との出会いが楽しみであることを明らかにし、また全てが自らへの挑戦で、自身の限界を超えて弱さと対峙する必要があることに触れながら、その瞑想に近い行為を楽しんでいると述べた。

 南谷さんが登山に興味をもったきっかけは、親の仕事の関係で香港(Hong Kong)に住んでいた時に行った学校の遠足だった。

 当時13歳だった南谷さんは、インターネットに夢中で、友人たちとは直接会うよりもソーシャルメディアでチャットする方が多いほどだった。

 そのような日常生活を送っていた南谷さんだったが、学校の遠足で訪れた中国南部の丘陵地帯で、心を完全に奪われてしまう。デジタルではない昔ながらの地図や方位磁針を使い、現実の世界で人とコミュニケートするといった行為がとても新鮮で、本人たちにとっては初めての経験になったのだ。それは同時に、外には素晴らしい世界が広がっているという事実に気付いた瞬間でもあった。

 その後、南谷さんはネパールやチベットでの登山に挑むようになり、17歳の時、エクスプローラーズ・グランド・スラムへの挑戦を決めた。