【12月19日 AFP】ウクライナ政府は17日、深刻な不良債権問題が取り沙汰されていた同国最大の銀行プリバトバンク(PrivatBank)を国有化すると発表した。問題が広がって金融システムが崩壊するのを回避する狙いだ。

 プリバトバンクをめぐってはかねて、不良債権が経営に重くのしかかっているとの臆測が広がっていた。同銀行はウクライナの預金残高の3分の1を保有し、バルト3国にも支店を持つ。

 ウクライナ政府は声明で政府がプリバトバンク株を100%保有すると発表。「プリバトバンクの機能継続と顧客預金の安全を保障する」とも約束した。

 国際通貨基金(IMF)はウクライナに対して、持続的な成長のために不透明な金融部門の整理と安定化を求めており、今回の措置はそれに合致したものとなった。

 プリバトバンクは政治的に強い影響力を持つ富豪のイーゴリ・コロモイスキー(Igor Kolomoyskiy)氏が保有。ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は汚職との闘いで同氏を早い段階から標的としていた。(c)AFP