【12月12日 AFP】英国のネオナチ(Neo-Nazi)団体が、この種の組織としては同国で初めて、反テロ法に基づき禁止団体に指定される見通しとなった。アンバー・ラッド(Amber Rudd)内相が12日、同団体の禁止を発表するとともに、同団体を「差別主義、反ユダヤ主義で同性愛嫌悪」だと非難した。

 内務省は極右団体「ナショナル・アクション(National Action)」について、「テロリズムという観点から懸念される」との評価を受け、テロリズム法の下で禁止団体に指定したと発表。声明によると、この措置により、同団体の支持および加入は刑事犯罪とみなされ、最長で禁錮10年が言い渡される可能性もあるという。

 ラッド内相は今回の発表に際し、「ナショナル・アクションは差別主義、反ユダヤ主義で同性愛嫌悪の組織であり、憎悪をあおり、暴力を美化し、卑劣なイデオロギーを推し進めており、容認するつもりはない」と言明した。

 この決定については議員らが14日に審議し、その2日後に発効する見通し。

 同国では先月、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の1週間前に、EU残留を訴えていたジョー・コックス(Jo Cox)議員を殺害したトーマス・メア(Thomas Mair)被告に対し、仮釈放なしの終身刑が言い渡されている。

 ナショナル・アクションは、ナチス・ドイツ(Nazi)の独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)にちなんだミスコンイベント「ミス・ヒトラー大会」を主催した過去があり、今年6月のコックス氏殺害事件の後、ツイッター(Twitter)上にメア受刑者を支持する内容の投稿を行っていた。(c)AFP