【12月9日 AFP】ブラジルのサッカー選手らを乗せたチャーター機がコロンビアで墜落し乗客乗員71人が死亡した事故で、ボリビア航空当局の女性職員が、事故機の離陸前に飛行計画の問題点を報告していたにもかかわらず上司から内容の一部を隠蔽(いんぺい)するよう圧力をかけられたと主張していることが分かった。8日、ボリビア紙エルデベル(El Deber)が報じた。

 同紙によると、ボリビア航空当局のセリア・カステド(Celia Castedo)氏は、墜落したラミア・ボリビア航空(LAMIA Bolivia)のチャーター機には目的地までぎりぎりの燃料しか積まれていない点を問題視し、報告を上げていたという。

 事故機は先月末、南米サッカー連盟 (CONMEBOL) 主催の国際大会コパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)決勝に出場するブラジルのサッカークラブ、シャペコエンセ(Chapecoense)の選手やチーム関係者を乗せ、ボリビア・サンタクルス(Santa Cruz)を出発。コロンビア第2の都市メデジン(Medellin)へ向かう途中、メデジン近郊で墜落した。報じられたフライトレコーダーの記録からは、燃料切れが示唆されている。

 カステド氏は、エルデベル紙に掲載された声明で、「報告書の内容を変更するよう命じた複数の上司から、嫌がらせや圧力を受けた」と主張した。

 問題の報告書は、事故機が出発する数時間前に航空当局に提出したもので、「精査に基づき」5点の所見を記載したという。「このうち最も重要なものは燃費に関する指摘で、飛行時間とぴったり同じだった」とカステド氏は説明している。これは、航空機に目的地にぎりぎり到達できる燃料しか搭載されておらず、着陸が遅れるなど不測の事態に備えた予備の燃料が積まれていなかったことを示している。(c)AFP