【12月8日 AFP】サッカー元イングランド代表のマット・ル・ティシエ(Matthew Le Tissier)氏が、サウサンプトン(Southampton FC)のユースチームのコーチから「本当に気色の悪い」裸のマッサージを受けていたと語り、子どもに対する不適切な振る舞いについて主張した。

 代表21キャップを誇るル・ティシエ氏は、ユース選手のころ「全員が全裸の状態で」マッサージを受けたと明かし、ボブ・ヒギンス(Bob Higgins)氏に不愉快な思いをさせられたとコメントした。

 1970年代から80年代にかけてユース選手がコーチから性的虐待を受けていた疑惑が続出して英サッカー界が揺らぐ中、48歳のル・ティシエ氏は英BBCに対し、「とても不適切なものだった」と語った。

「振り返ってみて考えれば、不適切なことだ。とはいえ、幼い少年で、他のみんながやっているのを見てしまえば、『そうか、これが普通なんだ? 』と思ってしまう」

「振り返ると本当に気色の悪いものだったと思う」

 ル・ティシエ氏は、この数週間に虐待を受けた経験を公にした元サッカー選手たちがみせた勇敢さが、正義に報われることを願っている。

「勇敢な彼らの告白で、こういったことを経験してきた人たちが勇気づけられればと思う。そして、その加害者は裁きを受けてほしい」

 虐待行為はなかったと否定するヒギンス氏は、1992年に性的暴行容疑で無罪となり、1997年にはテレビのドキュメンタリー番組で再び虐待が疑われた。

 イングランド・フットボール(EFL)や警察、社会福祉機関は早ければ1989年にも、ヒギンス氏が子どもに対する危険になり得ると警告を発していた。

 ヒギンス氏はこの数週間、元サウサンプトンの選手数人からも非難を受けている。(c)AFP/Pirate IRWIN