【12月8日 AFP】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが8日、仏マルセイユ(Marseille)で開幕する。男子シングルでは、スペインのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)が、大会4連覇を目指す羽生結弦(Yuzuru Hanyu)に挑む。

 前人未到のGPファイナル3連覇を達成した羽生に対し、フェルナンデスは母国スペインのバルセロナ(Barcelona)で開催された過去2大会でどちらも優勝に一歩及ばず、熱心なファンの前で涙をのんだ。3月に行われた世界選手権(ISU World Figure Skating Championships)では2年連続で羽生を抑えて優勝したものの、平昌冬季五輪を2018年に控え、フェルナンデスはこれまで手に届かなかったGPファイナルのタイトルをつかみたいと意気込んでいる。

 国際スケート連盟(ISU)主催大会でスペイン勢として初めてメダルを獲得しているフェルナンデスは、「GPファイナルは僕がずっと逃してきたタイトルだ。もちろん五輪もそうだけれども、ぜひ勝ち取りたいタイトルだね」と語った。

 今大会ではスペインから多くのファンが国境を越えてマルセイユに駆けつけることが予想されているが、25歳のフェルナンデスはうまく重圧をコントロールできるはずだと自信を見せている。

「熱烈な応援が受けられると思う。スペインではないけれど、たくさんの後押しが得られるはずだ。バルセロナで滑るのは楽しかった。だけど、去年まではプレッシャーとの付き合い方がわからなかった。今年はそれができると思う」

 シリーズ上位6人の選手が出場するGPファイナルには、世界選手権3連覇の実績を持ち、GPファイナル制覇も2回経験しているパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)や宇野昌磨(Shoma Uno)、米国のアダム・リッポン(Adam Rippon)とネイサン・チェン(Nathan Chen)の4人が出場する。なかでも25歳のチャンは、スケート・カナダ(Skate Canada International 2016)と中国杯(Audi Cup of China 2016)を制している。

 羽生は自身今季初戦となったスケート・カナダで2位に終わったものの、11月のNHK杯(NHK Trophy 2016)では今季世界最高の301.47点を記録し、大会連覇を果たした。今大会で通算4度目のGPファイナル制覇を成し遂げれば、1999年から2004年にかけてファイナルを計4度制したエフゲニー・プルシェンコ(Yevgeny Plushenko、ロシア)の最多記録に並ぶ。

■「ちょっとしたロシア選手権」の女子シングル

  一方、女子シングルでは出場6人中4人がロシア勢となり、前回女王で17歳のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)が、同じ10代のロシア選手との激しい優勝争いに臨む。

 昨年のGPファイナルで驚きの初優勝を果たし、さらに世界選手権も制して衝撃的なシニアデビューを飾ったメドベデワは、スケート・カナダとフランス杯を制して今季のGPファイナル出場を決めた。

 ロシアからはメドベデワのほかにロシア杯とNHK杯で優勝したアンナ・ポゴリラヤ(Anna Pogorilaya)、前回3位のエレーナ・ラディオノワ(Elena Radionova)、マリア・ソツコワ(Maria Sotskova)が出場権を獲得し、ポゴリラヤいわく「ちょっとした国内選手権」の様相を呈している。

 その争いに、カナダのケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond)、そして前回準優勝の宮原知子(Satoko Miyahara)がどこまで食い込めるかが注目される。(c)AFP