【12月7日 AFP】フェイスブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)、マイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)が運営するユーチューブ(YouTube)は5日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)などが投稿する斬首や処刑の映像およびメッセージの拡散を抑制するための、共同での取組みについて発表した。SNS各社に対しては、「テロ組織のコンテンツ」を抑制すべきとの声が高まっていた。

 この動きは、米大統領選挙に影響を及ぼしたとされる、いわゆる「虚偽ニュース」をはじめ、ネットいじめやヘイトスピーチの爆発的拡散におけるSNSの役割をめぐり、世論からの風当たりが強くなる中で発表された。

 フェイスブック、ツイッター、ユーチューブはこれまで、暴力や憎しみの助長に使われることなく言論の自由を確保する方法で難しい対応を迫られてきた。しかし、イスラム過激派によって、暴力的なコンテンツが投稿され、また行動の計画や要員の採用でネットワークが盛んに使われるようになるにつれ、より確固とした立場を取らざるを得なくなってきた。同日に発表の共同声明では「われわれが提供するサービスに、テロリズムを促進するコンテンツが入る余地はない」と述べた。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のジェームズ・ルイス(James Lewis)シニアフェローは、ソーシャルメディアは転換期に達しており、もはや「中立なプラットフォーム」を自称できないと指摘。テロ関連の次に問題になるのはヘイト関連だとした。

 今後の取組みに用いられる技術の詳細は明らかにされなかったが、過激派のコンテンツを特定する際のデジタル指紋となる「ハッシュ」の共有データベースに基づいたものになるとされた。

 だが一部の専門家は、これらコンテンツに対する簡単な技術的解答はないと懸念する。

 ツイッター社は今年、取組み強化の一環としてIS関連のアカウント36万個を停止したと発表したが、その後の調べで、ISが新たにアカウントを開設・運用していたことが明らかになった。ツイッターの匿名性をたくみに利用したかたちだ。(c)AFP/Rob Lever