【12月7日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(62)は6日、難民流入問題に付け入るポピュリズム(大衆迎合主義)を糾弾すると同時に、移民の社会統合策として、イスラム教徒の女性の顔全体を覆うベール「ニカブ」の禁止を含む強硬姿勢を取る方針を示した。4期目を目指す選挙戦に本腰を入れた格好だ。

 自身が党首を務める中道右派政党・キリスト教民主同盟(CDU)の年次大会で演説したメルケル首相は、主要な同盟諸国で台頭するポピュリズムに対抗する戦略を提示し、昨年の記録的な難民流入を繰り返すことはないと約束した。

 さらに、新たにドイツ入りした人々に社会統合を期待するのはもっともなことだと強調し、これにはニカブ着用拒否も含まれると言明。「顔全体を覆うベールは、法的に可能な場所すべてで禁止されなければいけない」と述べ、4期目を目指す努力への支援を要請した。

 メルケル氏のこの呼び掛けに、会場ではスタンディングオベーションが11分間以上も継続。大会出席者1001人の大多数の支持を受け、メルケル氏は党首に再選された。

 首相を11年務めてきたメルケル氏は先月、4期目を目指す意向を表明。一方で、過去のどの選挙に比べても「より厳しい」ものになるだろうと認めている。

 メルケル氏が昨年9月、イスラム教徒が多数を占める国々で続く紛争から逃れた難民を受け入れる方針を提示して以来、欧州最大の経済大国であるドイツには深い亀裂が入り、自党内でさえも不満がくすぶっている。

 また、英国の欧州連合(EU)離脱、米大統領選でのドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の予想外の勝利、イタリア国民投票でポピュリズム政党に手痛い敗北を喫したマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相の辞意表明により激震が走る世界において、メルケル氏が新鮮味のある案を提示できるのかどうか疑問視する声もある。(c)AFP/Hui Min NEO