【12月5日 AFP】米中西部ノースダコタ(North Dakota)州を通る石油パイプラインの建設計画が物議を醸している問題で、認可当局である米陸軍工兵隊(USACE)は4日、計画を却下すると発表した。数か月にわたって計画に抗議していた先住民や環境保護活動家たちにとって、この決定は大きな勝利となる。

 計画されていたパイプラインは先住民スタンディングロック・スー族(Standing Rock Sioux Tribe)の飲料水の水源となっているミズーリ川(Missouri River)と人造湖であるオアヒ湖(Lake Oahe)の地下を通る予定となっていた。

 USACEのジョー・エレン・ダーシー(Jo-Ellen Darcy)米陸軍次官補(土木工事担当)は声明で「もっとやるべきことがあるのは明らかだ」と述べ、「迅速に、そして責任を持って工事を完了させる最良の方法は、パイプラインのルートを変更することだ」と語った。

 スタンディングロック・スー族は石油漏出の懸念から、川と湖の地下に1886キロに及ぶパイプラインを建設する計画に反対していた。またパイプラインのルートは歴史的な聖地を通ることになるとも主張していた。

 建設会社エナジー・トランスファー・パートナーズ(Energy Transfer Partners)とスノコ・ロジスティックス・パートナーズ(Sunoco Logistics Partners)の2社と、スタンディングロック・スー族との衝突によって数か月にわたり、米国北部の他の先住民や支持者らが千人単位で建設予定地近くにキャンプを張り、抗議を行っていた。(c)AFP