【12月3日 AFP】欧州各メディアは2日、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)とイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で指揮を執るジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が、数百万ユーロ規模の「脱税」システムに関与した疑いがあると報じた。

 欧州12の新聞社による団体は、サッカー情報公開ウェブサイト「フットボール・リークス(Football Leaks)」において、サッカー界の中心における汚職疑惑の調査結果を、今後3週間かけて開示する意向を明かしている。

 これに対してロナウドとモウリーニョ監督サイドは、両者が英国とスペインの会計基準に完璧にのっとっていると反論している。

 独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が入手した文書によると、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するポルトガル代表のロナウドは、「スイスと英領バージン諸島(Virgin Islands)のタックスヘイブン(租税回避地)に1億5000万ユーロ(約180億円)を隠していた」という。

 同誌は「この額に基づくと、そのストライカーは560万ユーロ(約6億8000万円)しか支払っていない。全体のわずか4パーセントだ」と付け加えた。

 報道によるとロナウドは、「代理人のホルヘ・メンデス(Jorge Mendes)が構築したシステム」により利益を得ていたとされている。

 同団体によると、2009年から2014年にかけてロナウドは、「7480万ユーロ(約91億円)をバージン諸島に登記されているトリン(Tollin)というオフショア企業に経由させた」とされており、仏調査報道ウェブサイト「メディアパルト(Mediapart)」は、「彼は最終的にその一部を申告したはずだ」と報告している。

 さらにロナウドは、2015年から2020年にかけての広告権において、「3100万ユーロ(約38億円)の税金逃れをした」可能性もあるといわれている。

 一方、モウリーニョ監督は、やはりメンデス氏経由で、「英領バージン諸島の会社が所有するスイスの銀行口座に1200万ユーロ(約15億円)を隠していた」とされている。

 この件でモウリーニョ監督には、「スペインの税務監査を受け、罰金も含めて440万ユーロ(約5億3000万円)の支払いが言い渡された」という。

 2日の第一報は、ロナウドとモウリーニョ監督の敏腕代理人であるメンデス氏による「システム」を中心に伝えられた。

 これに対してメンデス氏が所有する代理人会社のジェスティフテ(Gestifute)は、ロナウドとモウリーニョ監督が「義務を最大限に重んじ、スペイン当局と英国当局に対応している」とコメントし、有名人の納税に関し各紙団体が「陰湿な」やり方で動いていると批判している。(c)AFP