【12月3日 AFP】シリア政府軍は、反体制派が主要拠点としてきたアレッポ(Aleppo)東部の半分を奪還した。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が2日、明らかにした。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、政府軍は2日、アレッポ東部2地区の支配を固め、縮小を続ける反体制派支配地域の包囲網を狭めた。反体制派はアレッポ南東部で激しく抵抗しているが、政府軍は東側から包囲網を狭めている。

 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍は、かつての商都アレッポへの攻勢を開始した先月15日以降、迅速に戦果を挙げてきた。シリア人権監視団によると、まだ反体制派が残っている地区で市街戦を行う準備として、シリア政府軍の精鋭部隊である共和国防衛隊と第4師団の兵士数百人が2日、アレッポに到着した。

 政府側が支配するアレッポ西部に撃ち込まれた反体制派のロケット弾で民間人4人が死亡し、アレッポ西部の民間人の死者は59人になった。先月15日以降のアレッポ東部での死者は300人を超えており、その中には数十人の子どもも含まれている。

 2012年以降反体制派が拠点としてきたアレッポ東部が陥落すれば、反体制派にとってこの5年余りで最大の敗北となる。

 この奪還作戦でアレッポ市街には多数の遺体が残され、国際的な非難の声が上がっている。アレッポ東部からは民間人数万人が避難した一方、ロシアは、支援物資の搬入と住民の脱出を可能にする「人道回廊」の確保を呼び掛けている。(c)AFP/Karam al-Masri with Rana Moussaoui in Beirut