【12月2日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は1日、新政権の国防長官に、アフガニスタンやイラクなどで米軍を指揮し米中央軍司令官も務めたジェームズ・マティス(James Mattis)元海兵隊大将(66)を指名すると発表した。

 大統領選での支援に感謝する遊説を1日に開始したトランプ氏は、オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)で集まった大勢の聴衆を前に、「国防長官には『マッド・ドッグ(狂犬)』ことマティス氏を指名する」と表明。大胆で強気な発言に由来するあだ名でマティス氏を呼び、アフガニスタンとイラクに駐留する米軍の統括権限を与えると語った。

 その上でトランプ氏は、マティス氏について「彼は最高だ。今の米国で(第2次世界大戦で活躍した)ジョージ・パットン(George Patton)将軍に最も近い人物だと、皆も評している」と述べた。

 これに先立ち政権移行チームは週内に新たな閣僚の発表はないと表明しており、どうやらトランプ氏が先走って次期国防長官を発表したようだ。

 ただ、米国の法律では文民統制の原則を徹底するため、制服軍人に対し退役後7年間は国防長官への就任を認めておらず、マティス氏は議会上院でこの規定の免除を受ける必要がある。

 マティス氏はワシントン(Washington)州出身。湾岸戦争で米海兵大隊を、2003年の米軍主導のイラク進攻では米海兵師団を率い、2010年から13年まで米中央軍(US Central Command)の司令官として米軍のイラク撤退やアフガニスタン増派を指揮した。個性の強い司令官で、実戦経験の豊富さを誇示するところやぶしつけな物言いから「狂犬」の異名をとる。かつて「礼儀正しく、プロフェッショナルたれ。ただし、出会った相手は全員殺すつもりでいろ」と発言したこともある。(c)AFP