【12月2日 AFP】(更新)7月に和平合意が崩壊し治安状態が急速に悪化している南スーダンについて、現地を視察した国連人権理事会(UN Commission on Human Rights)の専門家チームは1日、「民族浄化が進行している」と警鐘を鳴らした。

「既に南スーダンの複数の地域で、飢餓や集団レイプ、村々の焼き討ちといった方法を用いた民族浄化が確実に進行している」。国連人権理のヤスミン・スーカ(Yasmin Sooka)氏はこのように述べ、「国内各地、どこを訪れても村人たちは、土地を取り返すためなら血を流す覚悟ができていると話していた」「多くの人々が、もう後戻りできないところまで来たと言っていた」と警告した。

 スーカ氏ら国連の3チームは、南スーダンの現状を調査するため、ベンティウ(Bentiu)、マラカル(Malakal)、ワウ(Wau)など、戦闘が起きている地域を10日間かけて視察。集まった衝撃的な証言をもとに、国連人権理は南スーダンについて「破滅」の寸前にあるとの声明を発表した。

 首都ジュバ(Juba)で記者会見したスーカ氏は、「ルワンダで起きたことが繰り返されようとしている段階だ。国際社会には、これを阻止する義務がある」と訴えた。また、政府軍と反政府勢力の双方が戦闘員を集めており、子どもも含まれると指摘。乾季を迎えて今後さらに戦闘が激化するとの見通しを示した。

 2011年にスーダンから独立し「世界で最も若い国」となった南スーダンでは、2013年12月にサルバ・キール(Salva Kiir)大統領が政敵のリヤク・マシャール(Riek Machar)第1副大統領(当時)を、クーデターを計画したと非難して解任。以降、キール大統領派の政府軍とマシャール派の反政府勢力との対立が続いている。

 昨年8月に和平合意が結ばれたものの、今年7月にジュバで大規模な戦闘が起きて以降、急速に治安が悪化。国内各地に暮らす64民族の間で暴力行為が急増している。(c)AFP