【12月1日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)で1日、分離独立運動が続く東部のパプア(Papua)地方に対する同国政府の支配に抗議するデモが行われ、警察当局はデモを散会させるために放水銃を投入した。

 1961年に行われたパプア地方の独立宣言を記念する今回のデモには約150人が参加。同地方はオランダの植民地だったが、独立宣言の2年後にインドネシアが支配下に収めた。分離独立運動は当時から続いているが、インドネシア政府は資源が豊富なパプア地方を確固として掌握し続けるため、兵士や警察官を多数配置している。

 「パプア学生同盟(Papua Student Alliance)」などに所属する大学生が大半を占めた参加者たちは、暴動鎮圧用の装備を身につけた警察官に対峙し、「パプアに自由を」と気勢を上げた。

 デモの参加者の一人は「もう十分だ。われわれの仲間は殺害され、拘束された。もう十分だ」と訴えた。

 今回のデモで警察は、禁止されているにもかかわらず、パプア地方の独立運動の象徴である「明けの明星」をモチーフとした旗を掲げたとして参加者4人を拘束。ただ、他の多くの参加者は警察車両に乗り移送されたものの、暴力的な事態を自発的に回避したという。

 インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は、国内で最も開発が遅れている地域の一つであるパプア地方の生活水準を改善させると約束しており、2年前に大統領に就任して以降、たびたび同州を訪問している。(c)AFP