【12月1日 AFP】50歳未満の喫煙者は、同年代の非喫煙者と比較して、心臓発作に見舞われるリスクが8倍高いとする研究論文が11月30日、発表された。

 研究チームによると、喫煙者と非喫煙者の心臓発作リスクの差異は年齢を重ねるとともに縮まり、50~65歳には5倍、66歳以上では3倍に縮小するという。研究論文は学術誌「ハート(Heart)」に掲載された。

 すべての喫煙者の心臓発作リスクは非喫煙者よりも高いが、これまで年齢層ごとのリスクの違いは明らかにされてこなかった。

 これを解明するため、英イングランド(England)北部シェフィールド(Sheffield)にあるノーザン・ゼネラル病院(Northern General Hospital)サウスヨークシャー心臓センター(The South Yorkshire Cardiothoracic Centre)のエバー・グレック(Ever Grech)氏率いる研究チームは、2009から2012年にかけて、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)として知られる一般的な心臓発作で治療を受けた成人1727人のデータを検証した。

 調査対象の約半数は喫煙者で、残りは元喫煙者と一度も喫煙したことのない非喫煙者がおよそ半々だった。

 研究の結果によると、喫煙者が心臓発作に見舞われていた時期は、元喫煙者や非喫煙者よりも平均で10年あまり早かったという。また、過去に冠動脈疾患を患った人の数は、喫煙者では非喫煙者の2倍に上った。

 研究論文によると、サウスヨークシャーの50歳未満の喫煙者は成人の27%だったが、50歳未満のST上昇型心筋梗塞の患者75%は喫煙者だった。データによると、全般的に見て喫煙者は元喫煙者や非喫煙者と比べて、STEMIを患う確率が3倍ほど高いことが分かったという。(c)AFP