【12月1日 AFP】ブラジルのサッカーチーム、シャペコエンセ(Chapecoense)のメンバーらを乗せた旅客機が墜落した事故を受け、30日に試合を行った欧州各地のクラブがキックオフを前に黙とうをささげた。

 イングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2016-17)の準々決勝、ウェストハム(West Ham)戦に臨んだマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は、悲痛な弔意を示した。

 71人が犠牲になったコロンビアでの飛行機事故でシャペコエンセの多数の選手が亡くなったことは、1958年にユナイテッドの8選手が死亡した「ミュンヘンの悲劇」を思い起こさせた。

 両チームの選手は腕に喪章を巻き、センターサークルを囲むようにそれぞれが腕を組み合って、非の打ち所のない1分間の黙とうをささげた。

 ドイツ・ミュンヘン(Munich)での飛行機事故は、マット・バスビー(Matt Busby)氏が指揮を執り、「バスビー・ベイブス」とうたわれた若手選手が多数いたユナイテッドを悲嘆に暮れさせた。

 欧州チャンピオンズカップ(現欧州チャンピオンズリーグ〈UEFA Champions League〉)に出場していたユナイテッドが、アウェーでユーゴスラビア(現セルビア)のレッドスター・ベオグラード(Red Star Belgrade)戦に勝利して帰国する際、搭乗した飛行機がミュンヘンでの給油後、雪をかぶった滑走路上でクラッシュした。

 死亡した選手の中には、将来のイングランドのレジェントともいわれたダンカン・エドワーズ(Duncan Edwards)が含まれていた。またユナイテッドの関係者3人、ジャーナリスト8人も命を落とした。

 生還を果たしたバスビー監督は、同じく生存者のボビー・チャールトン(Bobby Charlton)らを中心にチームを立て直し、1968年にチャンピオンズカップ制覇を遂げている。(c)AFP