【12月1日 AFP】ブラジルのサッカーチーム、シャペコエンセ(Chapecoense)の大勢の地元ファンが、晴れの大舞台を応援するはずだった30日夜、亡くなった選手を悼み、本拠地のスタジアムに集まった。南米サッカー連盟(CONMEBOL)主催の国際大会コパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)決勝の第1戦で、コロンビアのアトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional)と対戦するため、チャーター機で同国第2の都市メデジン(Medellin)に向かっていたシャペコエンセのチームが、28日に現地近郊の山脈で墜落事故に遭遇した現実に、地元ではまだ動揺が収まっていない。

 シャペコエンセが拠点とするブラジル南部サンタカタリナ(Santa Catarina)州の都市シャペコ(Chapeco)では、ファンがクラブカラーの緑と白のユニホームを見にまとい、コパ・スダメリカーナで夢のタイトルを目指していたチームが突然いなくなってしまった現実を受け止めようとしていた。

 教師をしているという21歳のファンは、「シャペコは大きな都市ではありません。通りのあちらこちらで(選手たちと)会えました。今まで通りは難しいです。昨日からすでに悲しみに包まれていますが、町は悲嘆に暮れています。音楽が鳴り響くこともなく、何も聞こえてきません」と話した。

 身元の確認は今週末までかかる予定で、遺体はまだコロンビアから戻ってこないものの、南米大陸で2番目に大きな大会の決勝戦で、シャペコエンセがアトレティコ・ナシオナルとのキックオフに臨むはずだった時間に合わせ、ファンは黒いリボンが飾られた本拠地アレーナ・コンダ(Arena Conda)で追悼集会を開いた。

 事故便に搭乗しなかった選手やユースチームの選手、遺族、そして多くのファンがクラブカラーを身にまとう中行われた集会で亡くなったチームメートたちを追悼する映像が流されると、ほとんどの人が涙に目をぬらしていた。

 墜落事故で犠牲となった71人のうち、20人はスポーツジャーナリストで、下部リーグからトップリーグまではい上がったシャペコエンセが大舞台で躍動する姿を取材するために同行していた。

■追悼ミサ

 今回の悲劇が起きなければ、20万人の地元住民の多くがテレビにくぎ付けとなり、コロンビアの強豪クラブに立ち向かうヒーローたちの姿を見るはずだった。

 タイトルの行方が決まる第2戦は、シャペコよりも決勝の舞台にふさわしい場所として、ブラジル南部クリチバ(Curitiba)で行われる予定となっており、地元ではその試合にも備えていたが、チーム関係者と遺族は今週末、選手たちの遺体と対面しなければならなくなった。

 クラブ責任者は、スタジアムで10万人規模の追悼ミサを行いたいとして、「われわれの願いは、ここで共同ミサを開くことです」と記者会見で明かし、遺族の許可を求めていると補足した。(c)AFP/Rosa SULLEIRO