【11月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が29日、米国旗を燃やした人は全員刑務所送りにすると述べ、身内の共和党の幹部を含む議会関係者や政府当局者から批判を浴びている。

 トランプ氏は29日未明、簡易ブログのツイッター(Twitter)に「米国旗を燃やすことは誰にも許されない。そんなことをすればただでは済まない。市民権を失うか、刑務所に送られるかだ!」と書き込んだ。

 これに関連してジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)米大統領報道官は「自ら選んだ仕方で意見を表明するため、われわれ全てが持つ自由」は合衆国憲法で保障されていると簡潔に指摘。「私自身を含めて大多数の米国人は国旗が燃やされることを侮辱的だと考えるが、われわれには国として、われわれの権利を慎重に守っていく責任がある」と苦言を呈した。

 議会の身内からも、言葉は丁寧ながら断固とした反対の声が上がった。

 共和党上院トップのミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務はトランプ氏の主張について記者団に問われ、「その行為(国旗を燃やすこと)は、不快な言論の一つの形として(合衆国憲法)修正第1条で認められた権利だ。この国には不快な言論も尊重する長い伝統がある」と回答。この件に関しては自分としても連邦最高裁判所の判断を支持すると語った。

 他の共和党議員たちもマコネル氏の考えに同調した。

 連邦最高裁は国旗を燃やす行為について、表現の自由の名の下に許容されるとの判断を示している。保守派のアントニン・スカリア(Antonin Scalia)判事は2012年、個人の意見と法律の尊重を区別することが重要だと説明している。(c)AFP