【11月28日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の側近、ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官の妻が披露したアイスダンスの演技が、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)をテーマにしたものだったことが大きな物議を醸している。

 ペスコフ報道官の妻で、トリノ冬季五輪フィギュアスケート・アイスダンスの金メダリスト、タチアナ・ナフカ(Tatiana Navka)さんは、26日のゴールデンタイムに放送されたセレブリティーらが出演するスケート番組で、露俳優のアンドレイ・ブコフスキー(Andrei Burkovsky)さんとペアを組み、演技を披露した。

 2人はユダヤ人強制収容所の囚人服を想起させる数字と黄色い星の入った、白と黒の縦じまの衣装を着て出演し、演技は銃声とともに終わるという演出だった。

 音楽は1998年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞したイタリア映画、『ライフ・イズ・ビューティフル(Life is Beautiful)』の挿入歌が使われた。『ライフ・イズ・ビューティフル』は自分の息子に強制収容所での生活の恐怖をひた隠す父親の姿を描いた悲喜劇ドラマ。

 スケート番組を放送したのは、露政府系テレビ局の第1チャンネル(Channel One)で、2人の演技は最高得点を獲得、審査員らから賞賛を受けた。ナフカさんはインスタグラム(Instagram)にこの時の様子を投稿し、「自分のお気に入りの演目の一つ」であり「我々の子どもたちはこの悲惨な時代のことを知り、忘れてはならない」とメッセージを書き込んだ。

 この演技はインタ―ネット上および海外メディアにおいて、大きな議論を巻き起こしている。(c)AFP